加工技術

曲げ技術で未来を創る エキスパートの匠が生む無限の可能性

技術

曲げ加工技術の進化とその応用は、多様な製品分野において新しい可能性を切り開きます。エキスパートのこだわりが、製品の品質、性能、美観を高めることに寄与し、より高機能で魅力的な製品を提供します。曲げ加工技術は、現代の製造業における重要な要素であり、その可能性は無限大です。

1. 3次元曲げ加工

曲げ加工には、U字曲げ、コの字曲げ、V字曲げ加工があります。
コの字曲げは、L字やV曲げの技術を応用して作りだしたものですが、U字曲げ加工は使う素材をよく知っていないとその機能性の確保が難しく、スプリングバックなどが起こってしまいます。
当社が独自に培った技術は、曲げ加工とねじり加工を組み合わせてプレス加工する3次元の曲げ加工技術です。
曲げ加工の3大メリットは、「硬度の向上」、「歩留まりの向上」、「デザイン性の向上」です。名取製作所の3次元曲げ加工技術で、お客様の課題を解決します。
硬度の向上
金属は加工することで硬度が向上する性質があります。これを金属の加工硬化と呼びます。加工硬化には、硬度の増加、耐摩耗性の向上、耐疲労性の向上、および加工後の寸法安定性の向上など、金属の機械的特性を向上させる多くの利点があります。また、加工硬化により、金属が変形しにくくなり、部品の寿命が延長されます。
名取製作所の曲げ加工やねじり加工の技術を使い、金属部品の性能を向上させることも可能です。
曲げ加工で金属の再生材をバージン材と同じような強度を持たせることも可能だと考えています。当社は地球にやさしいものづくりを目指しており、このような取り組みがカーボンニュートラルの実現に繋がっていくと確信しています。
歩留まりの向上
プレス加工において、歩留まりは、適切な金型を設計し、精度の高い材料を選定するなどの対策を講じても、一定は発生してしまいます。
名取製作所では、硬鋼線をプレス機で曲げたりねじったりする加工をするため、抜き打ち加工に比べて歩留まりが向上します。また、歩留まりが向上することで廃棄物が削減され、環境保全の取り組みも促進されます。
デザイン性が向上
名取製作所には3次元形状の美しいラインをプレス成形できる技術があります。当社の技術を使って曲線的なデザインを持つアート作品の制作や、美しさと耐久性を兼ね備えた家具やエクステリアなどの制作も可能です。

技術の貢献分野

名取製作所の主力商品は、自動車部品である、ワイパーのアームピースです。当社の製品を使用したワイパーは車のフロントガラス曲面にしっかりフィットし、高い拭きとり性能があります。

ワイパーアームピースは、車輛との兼ね合いから一点一様で設計されることが多く、また、外観意匠を構成するため外観品質が厳しくなっています。

ワイパーアームピース製品は、『 1.嵌合 2.強度 3.動作 4.外観 』の4項目が要求されます。

1. 嵌合:高精度で正確な寸法を実現することで、他部品との嵌合性能を向上させることができます。
これにより、製品全体の組み立てや動作の安定性が向上します。
2. 強度:適切な材料を適切な加工方法で加工することにより、製品の耐荷重性や耐摩耗性が向上します。
3. 動作:動作に必要な正確な形状や寸法を実現することで、製品の動作性能や効率が向上します。
4. 外観:精密な加工により、表面仕上げやデザインに細部までこだわることができ、製品の見た目の品質や印象が向上します。

このように当社の加工技術は、製品の性能や品質を向上させます。

技術の応用

3次元曲げ加工と聞くと、多くはパイプ材での加工が多いですが、名取製作所では、硬鋼線等の難加工材でロボットラインでの加工が可能な技術、体制をとることができます。
3次元での複雑な曲げを精密に実現するために一番大事な技術は、綺麗な曲げやねじりの加工技術です。計算する力ももちろんの事、素材が持つ本来の力にどれほどの力を加えて曲げればよいか、その素材毎や、製品が使われるシーン毎によって実現に必要な曲げ技術は変わってきます。

名取製作所では、試作で精確な製品を作り出したあと、生産ラインを構築し、プレス機と多関節ロボットでひねり・ねじり加工品を生産いたします。

名取製作所は、自社の技術を活かして、お客様の具体的なニーズや要望に合わせたご提案を行います。

2. プレス金型

名取製作所の製品の完成度が高い理由が、金型の精度が高い事にあります。
創業当時、金型の製作は外部に委託していましたが、金型製作の技術やノウハウを蓄積することによる改善のスピードアップを目指し、現在では社内にて金型を製作しています。金型を自分達で作り、試すことで、プレス加工の本質を追求することができます。
抜き、曲げ、ねじりなどの金型の種類も、取り扱う材質や、デザインにより違うので、それぞれに適した金型を製作し、オリジナルなプレスのラインに組み込みます。こうして、名取製作所は一貫生産にたどり着きました。
現在、プレス加工を行うにあたり、名取製作所では、まずその製品の形状、要求性能などを検討し、最適なプレスラインを設計することから始めます。そして、金型構造も、そのプレスラインを最大に適合するよう設計され、社内で製作されます。その際、作業性、安全性、品質、効率など、すべての要素が考慮し、その上で自社製作の金型を使うことで、名取製作所のプレス技術はまたひとつ蓄積されるのです。

3. 治具加工

製造業は、治工具によって効率化が大きく変わります。名取製作所では、より効率化を図るため治工具も社内で製作しています。漠然とイメージしている治工具を、数多く具現化し製作してきました。また、治工具はその用途の使いみちから、正確さが求められます。使いやすく、正確な治工具を使用することで不良品の防止にもつながります。
このノウハウは、弊社が大切にしてきた技術の一つです。図面があるものだけでなく、図面が無く、アイデアはあるけれどどう製作すればよいかわからないものがあれば、長年培ってきた名取製作所の技術で形にしていきます。

4. 外観仕上げ

自動車メーカーが外観に求める品質は非常に高く、その検査も厳しいことで知られています。
弊社が製作している自動車外装部品のワイパーアームピースは、その厳しい検査を通過できる高い品質を持っています。このノウハウを製作する全ての製品にも適応させ、ご提供いたします。