義足ユーザー支援

義足の基本情報

義足とは

事故や病気によって足の切断を余儀なくされた場合に、失われた機能を補うために作られ、使われる人工の足です。体重を支え、安定して立ったり座ったり歩行したりできるように、軽くて丈夫でなければなりません。

構造による分類

義足はその構造の違いによって、骨格構造義足(こっかくこうぞうぎそく)と殻構造義足(かくこうぞうぎそく)に分けられます。

【骨格構造義足】
人体の骨格の構造と同様に、関節や骨を「継手(つぎて)」や「チューブ(パイプ)」などのパーツで構成し、外観はウレタンフォーム材などで造形する構造の義足です。

【殻構造義足】
甲殻類の体の構造と同様に、義足を形成する「殻」の構造が義足に働く力を支え、同時にこの殻の形がそのまま足の外観を表す構造の義足です。

スポーツ用義足について

構成要素

1.【ソケット】
残された脚の部分を収め、体と義足をつなぐ部分

2.【アダプター】
膝関節とソケット、または膝関節と板バネをつなぐ部品

3.【膝継手(つぎて)】
関節部分を代償するための部分。
足継手(あしつぎて)・膝継手(ひざつぎて)・股継手(こつぎて)がある。

4.【板バネ】
義足の足部にあたる部分

名取製作所が制作するアダプターは長さや重さがカスタマイズでき、最高のフィッティングが実現します。

部品
(Natori アダプター)

一般用義足部品 (認定部品)

日本&アジア人に向けた認定部品の提供

日本で使われている義足は、そのほとんどが海外製で、日本人の体格に必ずしも合ったものではありません。日本人のユーザーにより快適なものを使って頂きたいと考え、先ずは長さや重さをカスタマイズできるスポーツ用義足部品を製作しました。さらに色やデザインもカスタマイズできるため、使う方の希望に沿ったものを製作できます。また、日本人向けに蓄積したこれらの技術と経験を活かし、将来的にはアジア全体の義肢ユーザーにむけた製品の製作に取り組んでいきたいと考えております。

デザイン性を持ったカスタムアダプターの提供

お出かけが楽しくなる、そんな義肢が製作出来たらうれしいと考えています。名取製作所ではお一人お一人の個性がだせて、「かっこいい」「かわいい」デザイン性の高いオリジナルの義肢部品の制作が可能です。「こんな義足作りたい。」名取製作所はあなたのやってみたいをサポートします。

スポーツと日常の間の運動を支援するアダプター

義足でもスポーツに挑戦してみたい!そんな気持ちをお持ちではありませんか?名取製作所はアクティブな義足ユーザーを支援します。
▷ 義足を使用する上で感じる困難や不便があれば、当社にご相談ください。
当社の金属加工の技術が課題を解決し、義足ユーザーの生活にプラスアルファな喜びや楽しみをお届けします。

特殊スポーツ
(Natori アダプター・スポーツ)

スポーツ義足アダプター

名取製作所のスポーツ義足用アダプターは、長さや色、材質などが変えられ、一人一人に最適なものが製作可能です。
パラアスリートの山本選手と共同開発で得られた知識や技術を使って、スポーツ用義足を使用される方専用のカスタマイズされたアダプターの制作が可能です。今まで体験したことのない最高のフィッティングが実現します。自己新記録の達成のため、名取製作所のスポーツ用義足アダプターを制作してみませんか?

アダプター製品紹介

Natoriアダプター BAシリーズ

スポーツ義足のソケットと膝継手をつなぐアダプター

軽さと強度を追求したハイスペックモデル

ご使用のパーツに合わせたカスタマイズも承ります。

※画像製品素材:チタン合金Ti6A‐4V
Natoriアダプター AK, BK, YS
シリーズ

スポーツ義足の膝継手と板バネをつなぐアダプター

様々なパーツに合わせたカスタマイズが可能です。

※画像製品素材:チタン合金Ti6A‐4V

ソフトウェア

小型センサ内蔵アダプター

スポーツ義足用アダプター開発の際に、場所を問わずひずみ等のデータを計測できるアダプター内部に収納できる小型のセンサを並行して開発、インフィールドで地面反力を図ることに成功しました。それまでは計測機械が揃った限られた場所でしか計測できなかったデータが、場所を問わず取得できるようになりました。
最終的に、加速度、角速度、ひずみを3軸で計測、Wi-fiでリアルタイムのデータ転送ができ、トップアスリートの求めるデータが計測・分析が可能になりました。
▷ 活用例
・スポーツバイオメカニクス:加速度と角速度のセンサは、スポーツ選手の動きや技術を分析するのに役立ちます。例えば、野球のピッチャーの投球フォームや、ゴルフスイング、ランナーのステップなどを評価することができます。

・健康モニタリング:加速度センサは、歩数や運動量を追跡するためにフィットネスウェアラブルデバイスに使用されます。また、角速度センサは、姿勢の監視や、特定の動作の追跡にも使用されます。これは、リハビリテーションや高齢者の健康管理に役立ちます。
これらは一部であり、小型センサが幅広い分野で活用される可能性を秘めていることを示しています。

競技用ソフトウェア

センサで取得したデータからアウトプットできるソフトウェアを開発しました。
走行データを記録し、中級者向けにスイング速度の計測、上級者向けに地面反力の計測などが可能です。
▷ 活用例
・モーション解析:加速度と角速度のデータを解析して、人間や物体の動きを評価し、姿勢や動作の改善ポイントを特定するために使用されます。スポーツトレーニング、リハビリテーション、身体のバイオメカニクス研究などでの活用が期待されます。

・フィットネスアプリケーション:加速度と角速度のデータを利用して、ユーザーの運動量や活動の種類、カロリー消費量などを追跡することが可能となり、フィットネスの目標達成の支援が可能となります。

このソフトウェアは、加速度と角速度のセンサで取得したデータから得られる情報を有効活用し、様々な分野で機能を提供します。

初心者用支援装置

スポーツ用義足は通常の義足と使用感が大きく異なるため、初心者の方は転倒をしてしまうことがあります。そのため、転倒防止のために足の振り上げ角度を意識した練習がとても重要になります。そこで、名取製作所は足の振り上げ角度が適切な角度になると音が鳴る装置を開発しました。音が鳴ることで、正しい走行姿勢を知ることができるため、転倒防止のトレーニングに活用されています。
スポーツ義足の使い始めの難しさを減らしていくことで、パラスポーツの普及を促進する取り組みを今後も続けて参ります。
▷ 活用例
・ランニングやウォーキングのフォーム改善:ランニングやウォーキング中に、足の振り上げ角度が適切であることを確認することは、パフォーマンスの向上やケガの予防に役立ちます。足が適切な高さで持ち上げられると、特定の音が鳴ることで、ランナーやウォーカーにフィードバックを提供し、フォームを改善することが期待できます。

・リハビリテーション:歩行リハビリテーション中に、患者が足を適切に持ち上げているかどうかを監視するために使用されます。適切な動作が行われると音が鳴り、患者に正しい歩行パターンを維持するよう促すことが可能です。

・スポーツトレーニング:フットボールやバスケットボールなどのスポーツにおいて、選手がジャンプやスプリントする際に、適切な足の振り上げ角度を保つことが重要です。音を使って適切なフォームを強調することで、トレーニング効果を高めることが期待されます。

・姿勢改善:足の振り上げ角度が適切であることは、姿勢の改善にも役立ちます。音を鳴らすことで、正しい姿勢を保つことを促し、腰痛や姿勢に関連する問題を軽減することが期待されます。
このように、足の振り上げ角度を監視し、適切な動作を促すことで、パフォーマンスの向上やケガの予防、姿勢の改善などに貢献することが期待されます。

小型センサ内蔵アダプター、競技用ソフトウェア、初心者用支援装置はその組み合わせで様々な分野での活用が期待できます。
「こんなことできませんか」といったご提案があればぜひお聞かせください!

アスリート支援

名取製作所の想い

パラアスリートである山本篤選手との運命的な出会いを経て、山本選手の想いに応えていく中で、パフォーマンスを下げる大きな原因となっている義足重量の問題を解決するために、スポーツ義足用のアダプターを極限まで軽量化したいというご要望がありました。

義足の走り幅跳びの選手は踏切時に荷重を一点に集中させ、ブレードをたわませて跳びます。その力は体重の約10倍ともいわれ、体重50㎏だと約500kNにもなります。アダプターを軽量化することは選手のパフォーマンス向上につながりますが、荷重に耐えられる強度も必要です。

山本選手のご要望により極限まで軽量化したアダプターですが、強度不足で破損してしまったことがありました。その際、原因を究明するために外部の専門家も加わった特別チームを編成しました。試行錯誤を繰り返した結果、重さは従来製品の約半分、強度を保ちながらの軽量化に成功しました。

山本篤 選手

パラ陸上の第一人者、
義足の陸上選手・山本篤さん

パラリンピックの記録
2008年 北京大会:
男子走り幅跳び銀メダル
2016年 リオデジャネイロ大会:
男子走り幅跳び銀メダル
2021年 東京大会:
男子走り幅跳び4位入賞 
※自身が持つ日本記録を5センチ更新

世界選手権の記録
2011年01月 ニュージーランド:
男子走り幅跳び銅メダル
2013年07月 フランス:
男子走り幅跳び金メダル
2015年10月 カタール:
男子走り幅跳び金メダル
2017年07月 イギリス:
男子走り幅跳び銀メダル
2019年11月 UAE=アラブ首長国連邦:
男子走り幅跳び銅メダル
2023年07月 フランス パリ:
男子走り幅跳び8位入賞
2024年05月 神戸市 ※現役最後の大会:
男子走り幅跳び5位入賞

“二刀流” パラアスリートの先駆者

2017年にプロ転向を宣言、その翌年には冬のピョンチャンパラリンピックにスノーボードで出場。
“二刀流” パラアスリートの先駆者として知られています。

山本選手は20年以上にわたる競技生活で、数々の記録を打ち立てましたが、2024年5月、現役引退を表明しました。
名取製作所は、障がいの有無に関わらず、すべての人が平等にスポーツを楽しむ権利があると考えています。パラアスリートは、ご自身の障がいを乗り越え、また、ご自身の能力や体力の限界を超えるために驚異的な努力をしています。私たちは、パラアスリートのチャレンジする精神や努力を称賛し、目標達成を支援します。

名取製作所がパラアスリートを支援することで、スポーツ界全体の多様性や包摂の向上に貢献し、より良い社会を築くための一助になりたいと考えています。
名取製作所は支援パラアスリートを
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お知らせ

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