6. チタンは美しい
チタン化8つのメリット:その6
6. チタンは美しいいぶし銀、にじ色、原色、自由自在
▷ 高級感+発色100種類以上で、「私だけのチタン」を作れます
「この○○はチタン製なんですよ」なんていわれると、なんだか高級感がありますよね。このような、チタンが持つ高級イメージのほかに、実際に美しく装飾することができます。ちょっと詳しく見てみましょう。
チタンはそれ自体を100種類以上発色させることができ、また、そのそれぞれを各種の表面処理と組み合わせることができます。
(酸洗仕上げ、ロールダル仕上げ、アルミナブラスト仕上げ、エンボス仕上げ、ヘアライン仕上げ、 バイブレイション研磨仕上げ、鏡面仕上げ等)
では、チタンはなぜ発色するのか。
結論から言ってしまいますと、「酸化皮膜の厚さに応じて特定の色の光だけが強められる結果、その色に見える」ということです。
酸化皮膜のついたチタンに降り注いだ光は、酸化皮膜は無色透明なので、一部は屈折して酸化皮膜へ入り、金属チタンと酸化皮膜の境目で反射して大気中へ出て行き、私たちの目に届きます。 酸化皮膜へ入らなかった残りの光は、酸化皮膜の表面で反射し、そのまま大気中へ進んでいき、私たちの目に届きます。
つまり、ある一点から目に飛び込んでくる光は、酸化皮膜を通った光と通っていない光が混じり合ったものなのです。
この現象は、どんな色の光についても起こっており、ほとんどの色においてはただ光が混じりあうだけで強めあったりはしません。 が、酸化皮膜の厚さ次第で、ある特定の色の光だけは強められ、その結果「その色に見える」という現象が起こるのです。どの色でそれが起こるかは、酸化皮膜の厚さによって異なります。
まず、前提として、光は波としての性質を持っています。
そして、光はその波長ごとに特有の色を持ちます。太陽光は、さまざまな波長の光が混ざり合っており、結果として白色に見えます。これをプリズム等で分光すると、いろいろな色の光が現れることはご存知でしょう。
さて、前述のように、チタンに降り注いだ光は、一部が酸化皮膜の表面で反射し、残りは酸化皮膜へ入って金属チタンの表面で反射して出て行きます。
この二種類の光の位相がきちんとそろったとき、互いに強めあう(= 光の干渉。ヤングの干渉実験が有名。)ので、その色の光だけ強調されて見える = その色に見えるのです。 この「位相がそろう」という条件を満たすかどうかは、酸化チタンの膜厚が左右します。
その光が酸化チタンの膜に入ってから抜けるまでに要した振動数が整数の場合に、酸化皮膜を抜けてきた光と酸化皮膜の表面で反射した光の位相がピタリと合うのです。この場合の振動数は、波長と光が進んだ距離で 決まります。光が進んだ距離は、言うまでもなく酸化チタンの膜厚と光の角度で決まるのです。
発色させたいチタン製品を陽極に、通電性の良い金属を陰極にして導電性の水溶液に浸し、電圧をかけると陰極からは水素が、陽極からは酸素が発生します(= 水の電気分解)。
この、陽極で発生した酸素とチタンが結びつき、表面に酸化チタンの膜を形成するのですが、その際に電圧と浸漬時間を微妙にコントロールすることで膜厚を自由にコントロールすることができます。
これがチタンを発色させる原理です。
ということは、可視光に含まれる色であれば、どんな色でもチタンを発色させることは原理的には可能です。
逆に、白や黒は陽極酸化処理での発色は無理ということになります。 白や黒は色ではなく、白はさまざまな色の光が混ざり合った結果白く見えているものであり、黒は明るさの概念(= 暗いということ)でしかないからです。
そして、チタンの発色は塗装などとは本質的に異なるものであり、発色に必要なものがチタンそれ自体とその酸化物でしかないため、耐腐食性や対アレルギー性などの素晴らしいチタンの特性が 一切損なわれないという、マンガの主人公のような完璧性があります。
ほんとにチタンってすごいですね。 ただし、陽極酸化処理後に曲げ等の成形加工を行ったりすると、酸化チタンの膜厚が変化したり、ひどいときには破壊されてしまい、そのときは当然ながら当初の色を保持することはできません。 また、長年大気中に暴露し、何らかの原因で酸化皮膜の膜厚に変化が生じた場合、やはり色合いに変化が生じます。
まあ、物理的に力を加える加工が終わってから陽極酸化処理を行えば良い話です。 チタンで作れば、いぶし銀、虹色、原色、自由自在です。
そして、光はその波長ごとに特有の色を持ちます。太陽光は、さまざまな波長の光が混ざり合っており、結果として白色に見えます。これをプリズム等で分光すると、いろいろな色の光が現れることはご存知でしょう。
さて、前述のように、チタンに降り注いだ光は、一部が酸化皮膜の表面で反射し、残りは酸化皮膜へ入って金属チタンの表面で反射して出て行きます。
この二種類の光の位相がきちんとそろったとき、互いに強めあう(= 光の干渉。ヤングの干渉実験が有名。)ので、その色の光だけ強調されて見える = その色に見えるのです。 この「位相がそろう」という条件を満たすかどうかは、酸化チタンの膜厚が左右します。
その光が酸化チタンの膜に入ってから抜けるまでに要した振動数が整数の場合に、酸化皮膜を抜けてきた光と酸化皮膜の表面で反射した光の位相がピタリと合うのです。この場合の振動数は、波長と光が進んだ距離で 決まります。光が進んだ距離は、言うまでもなく酸化チタンの膜厚と光の角度で決まるのです。
波長と色 単位:Å(オングストローム)
このことは、酸化チタンの膜厚を正確にコントロールすることでチタンの色を自由にできることを意味します。 その、「酸化チタンの膜厚を自由にコントロールする」技術が「陽極酸化」です。赤 | 6500 ~ 7000 |
---|---|
橙 | 5880 ~ 6500 |
黄 | 5500 ~ 5880 |
緑 | 4920 ~5 500 |
青 | 4550 ~ 4920 |
紫 | 3800 ~ 4550 |
発色させたいチタン製品を陽極に、通電性の良い金属を陰極にして導電性の水溶液に浸し、電圧をかけると陰極からは水素が、陽極からは酸素が発生します(= 水の電気分解)。
この、陽極で発生した酸素とチタンが結びつき、表面に酸化チタンの膜を形成するのですが、その際に電圧と浸漬時間を微妙にコントロールすることで膜厚を自由にコントロールすることができます。
これがチタンを発色させる原理です。
ということは、可視光に含まれる色であれば、どんな色でもチタンを発色させることは原理的には可能です。
逆に、白や黒は陽極酸化処理での発色は無理ということになります。 白や黒は色ではなく、白はさまざまな色の光が混ざり合った結果白く見えているものであり、黒は明るさの概念(= 暗いということ)でしかないからです。
そして、チタンの発色は塗装などとは本質的に異なるものであり、発色に必要なものがチタンそれ自体とその酸化物でしかないため、耐腐食性や対アレルギー性などの素晴らしいチタンの特性が 一切損なわれないという、マンガの主人公のような完璧性があります。
ほんとにチタンってすごいですね。 ただし、陽極酸化処理後に曲げ等の成形加工を行ったりすると、酸化チタンの膜厚が変化したり、ひどいときには破壊されてしまい、そのときは当然ながら当初の色を保持することはできません。 また、長年大気中に暴露し、何らかの原因で酸化皮膜の膜厚に変化が生じた場合、やはり色合いに変化が生じます。
まあ、物理的に力を加える加工が終わってから陽極酸化処理を行えば良い話です。 チタンで作れば、いぶし銀、虹色、原色、自由自在です。
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7. チタンは冷たくない