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コラム 『次世代マルチマテリアル馬具ハミ』開発記

名取製作所が挑む、チタン×シリコンの『次世代マルチマテリアル馬具ハミ』

名取製作所は、長年、金属精密プレス加工で日本のものづくりを支えてきました。
馬の専門家ではありませんが、金属、特に「チタン」という素材の可能性について情熱を持って向き合ってきました。

1. 始まりは新製品の社内コンテスト

ある時、社内で「チタンと異素材を掛け合わせて社会課題を解決する新製品コンテスト」を開催しました。そこで最優秀賞に輝いたのが「馬具ハミ」というアイデアです。
チタンは優れた特性から多くの分野で活用される一方、高価なためコスト面での課題がつきものです。 そこで注目したのは、チタンと異素材の接合。チタンの使用量を最適化し、チタンと異素材の特性両方を最大限に生かしながら、よりコストを抑えた製品の製作が可能となります。
馬具製作の実績はありませんが、お客様それぞれのご希望を聴き、お悩みに寄り添いながら、最高の素材を使用した最高の馬具を形にしたいと考えています。

2. チタンの圧倒的な優しさ

ハミは馬の口内に直接触れるデリケートな道具です。私たちは「医療現場で信頼されるチタンの性質」を馬具に応用します。

「生体親和性」とは?
チタンは人工関節として体内に埋め込まれるほど、身体に拒絶反応を起こさない素材です。汗や唾液で溶け出すことがないため、金属アレルギーの心配がほとんどありません。

身体が「仲間」と認める?
チタンは骨と直接結合するほど生体に馴染みます。この特性が、馬がハミを受け入れる際のストレスを最小限に抑える鍵になると考えています。

3. 冬の朝でも、ホッとする温かさ

冬場ハミを口にする瞬間、馬が身構えてしまうことはありませんか? チタンなら、その「冷たさ」を和らげることができます。

熱を奪わない「低熱伝導率」
チタンの熱伝導率は鉄の約1/4、銅の約1/23という低さです。金属なのに熱が伝わりにくい(=触れた瞬間、体温を奪わない)ため、冬場でもあの「ヒヤッ」とした刺激が少ないのです。

すぐに温まる「低熱容量」
チタンは密度が低く、温まりやすい性質を持っています。鉄や銅に比べ、わずかなエネルギー(馬の吐息や体温)ですぐに口内温度に馴染みます。

4. 驚く軽さ。体への負担が軽減

チタンの密度は 鉄の約6割という驚異的な軽さを誇ります。

軽くて強い、理想の形
航空機にも使われる強靭な「64チタン合金」を用いることで、薄く、小さく、それでいて絶対に壊れない信頼性を両立させます。

繊細なコンタクトを可能に
軽いことで、馬の動きのムダが減り、ライダーの合図がよりダイレクトに馬に伝わり、馬もまた軽やかに反応できるようになると考えています。

5. 100年経っても「錆びない」

馬の汗(塩分)は金属にとって過酷な環境ですが、チタンには関係ありません。

自己補修するバリア
チタンは表面に瞬時に「不動態皮膜」というバリアを作ります。傷がついても一瞬で自己再生するため、海水(汗)に対しても完璧に近い耐食性を示します。

メンテナンスフリー
水洗いだけで、100年経っても金属の光沢が失われません。愛馬との思い出が刻まれるハミを、一生使い続けることができます。

6. 難削材「64チタン合金」を形にする、名取製作所の技術

加工が極めて困難なチタンを、私たちは独自の技術で加工します。

こだわりの専用設備
計算し尽くされた高周波加熱装置などの設備を整え、精密なプレス加工と接合を行います。

長年培った金属加工技術
設立当初から難加工材に挑み、国内トップシェアを誇る製品を生み出してきた技術を、ハミの「滑らかな曲線」に注ぎ込みます。

7. チタンで作ってみませんか?

私たちは馬具ハミ作りのスタートラインに立ったばかりです。
チタンを、馬たちの心地よさのためにどう活かすか。
その答えは、日々馬と向き合っている皆様のなかにあります。
お悩みやアイデアを、ぜひ私たちに聞かせてください。

⇒⇒⇒ 開発パートナーとしての相談・ご意見はこちら ※Google forms へリンクします
名取製作所の技術と、皆様の愛馬への想いを掛け合わせて、新しい馬具の歴史を一緒に作りませんか?