7. チタンは冷たくない

7. チタンは冷たくない
冬場でもホッとします。

▷ 繰り返し触れたくなるような快適な使用感
冬、寒いとき、カチンカチンに冷えた金属に触ると…「うわっ冷たい!」触る前から身構えてしまいますよね。気温の低い地域では、注意しないと手が凍ってくっついてしまうことだってあります。

でも、チタンだと、これがあまり冷たくないのです。(そりゃちょっとは冷たいですよ)これは、チタンの熱伝導率が小さいことによります。

チタンは手の熱が伝わりにくい = 手から熱があまり奪われないのです。
純チタンの熱伝導率は17 (W/mK) で、鉄の約1/4、銅の約1/23 です。 そして、またチタンは温まりやすく冷めやすいのです。
1. 熱伝導率 
※熱伝導率とは… 物質が熱をどれくらい効率よく伝えるかを示す指標です。
他の金属と違い、チタンは(あまり)「冷たくない」ことをご存じですか?
その秘密はチタンの“熱伝導率の低さ”にあります。
表のとおり、チタンの熱伝導率は鉄の約1/4、銅の約1/23となっています。
熱伝導率が低いと、金属が周りの熱をあまり吸収しません。
つまり、触れたときに熱を奪われにくく、冷たさを感じにくくなるのです。
※表は横にスクロールできます。
素材熱伝導率 (W/m・K)チタンとの比較
チタン17
63約4倍
394約123倍
2. 熱容量 
※熱容量とは…物質が温度を1度上昇させるために必要な熱エネルギーの量を示す物理的な性質です。
熱伝導率と物質の密度の関係から、同じ大きさのものの温度を1℃上げるためには、チタンよりも鉄や銅の方が多くのエネルギーが必要です。
これは、チタンの密度が低いため、1cm3あたりの質量が他の2つよりも少ないからです。
つまり同じ大きさの火にかけた場合、チタンの方が銅よりも6割程度の時間で温まるということです。
※表は横にスクロールできます。
素材密度 (g/cm)比熱容量 (J/g・℃)エネルギー量チタンとの比較
チタン4.510.522.34
7.850.453.53約1.5倍
8.930.393.48約1.5倍
触った感じが冷たくなく、繰り返し触れたくなるような快適な使用感が得られるチタンは、様々な分野で大きなアドバンテージを持っています。
名取製作所は、切削・プレス成形・接合・熱処理等の加工技術でお客様の「チタン化」をお手伝いします。
「これ、チタンで作ってみたいな」と思ったら、ぜひ名取製作所にお問い合わせください。
▷ コラム
北海道芦別市の国道452号の「星の降る里大橋」
~チタンの低熱伝導率と低熱容量を利用した例~

北海道芦別市の国道452号の「星の降る里大橋」に、チタン滑雪パネルが装着されました。橋を支える塔の着雪が一度に落ちると、自動車や歩行者に当たる危険があるため、これを防止するためのものです。雪がたまって大きな塊になる前に落としてしまおう、というものです。

金属板を雪が滑り落ちるためには、雪と金属板の間に少量の水が必要です。(流体潤滑)
全く水がないと滑りません。少量の水があると良くすべるのは、スケートと同じ原理です。

▷ スケートがすべる原理
スケート靴をはいた人が氷に乗る → 体重で氷に圧力がかる → 氷に圧力がかかる → 圧力がかかったところだけ融点が下がる → そこだけ氷が少しだけ溶けて水になる → ブレードが滑る

したがって、雪をよく滑落させるためには、流体潤滑を良く生じさせる素材を使うことが必要になります。そのためには

1. 日照によって温度が上がりやすい = 熱容量が小さい
2. 滑り始めた雪の流体潤滑の元になっている水が、滑雪板に熱をとられない = 熱伝導率が悪い
3. 滑らかな表面がいつまでももつ = 耐食性が良い

といった条件を満たす必要があります。
なお、滑雪の元になる水は、太陽熱による温度上昇と、滑落による摩擦熱による雪の溶融によってもたらされます。
で、これらの特性を兼ね備えたスーパー素材がチタンなのです!星の降る里大橋では設置以来、良好な落雪対策ができている模様です。

このように、チタンは様々な可能性を秘めているのです。
NEXT

8. チタンの弱点

これ、チタンでつくってみたいなと思ったら

今すぐ名取製作所へご相談ください。お待ちしています!